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研究開発

サツマイモを育て、貯蔵し、加工する。
干しいもの技術を探求しながら、
新商品にも応用しています。
サツマイモを育て、
貯蔵し、加工する。

干しいもの技術を探求しながら、
新商品にも応用しています。

サツマイモの品種登録

干しいもの原料として根強い人気のある『タマユタカ』を、タンザニアで品種登録しています。懐かしい干しいものファンとしては残念なことに、茨城ではタマユタカの作付面積が毎年減っています。

その背景には、新品種の普及、高齢化による干しいも農家の減少、温暖化でタマユタカが良い干しいも原料になりにくい…などの要因があります。だからタンザニアと茨城の干しいも農家は競合しません。

品種登録は政府の農業研究機関(TARI)と提携しています。サツマイモは肥料や農薬を使わずに栽培できる換金作物です。タマユタカは多収性で病気に強く作りやすいので、現地の農家さんからも大好評です。

干しいもの製法

干しいもの製法では、収穫したサツマイモを貯蔵して十分に糖化させ、甘くおいしい状態にしてから加工します。私たちはタマユタカの品種登録を進めながら、収穫したイモを糖化させる試験をくりかえしました。

日本とタンザニアでは環境が違うため、日本から輸入した貯蔵庫で糖化してもカビが生えてしまい、最初の2年間は失敗の連続でした。3年目にして貯蔵方法の糸口がみつかり、産地のサツマイモの品質も向上してきました。

蒸煮や乾燥など、その他の工程についても当地に適した製法となるよう照沼勝一商店様からご指導を頂きました。試行錯誤を重ねて5年目、ようやく日本でつくる干しいもと同等の品質に到達できました。

子どもたちの嗜好性調査

どんなに栄養があっても、おいしくないと子どもたちは食べてくれません。だから子どもたちは、どんなお菓子が好きなのか知りたい。原料、色、香り、食感、製法…さまざまな角度から、現地の子どもたちの嗜好性を調査しています。

そのために『お菓子甲子園』を開催しています。出場選手は日本の定番のお菓子、そして輸入品も含むタンザニアで売れているお菓子。子どもたちに一度に2品づつ食べてもらい、好きなほうを選んでもらうというルールで勝ち抜いたNo.1を決めます。

その結果、意外な結果もありました。例えば子どもたちは案外コーングリッツのパフスナックが好きではない。実は、日本の昭和生まれのおばあちゃんのおやつ箱に入っているような、懐かしい素朴なお菓子が好きだったのです。

ドライフルーツの製法

干しいものおいしさを構成するのは、食感、甘み、香り、外観という4要素。これらはサツマイモの品種、栽培方法、貯蔵条件、蒸しかた、乾燥方法などにおける、たくさんの細かい工夫で醸成されていきます。

ドライフルーツの場合、おいしさの要素として酸味が大切です。またフルーツの独特の甘い香りも重要な要素です。例えばドライマンゴーの場合、条件に合ったマンゴーを調達して砂糖不使用で作れるのは年間3ヵ月だけなのです。

畑に収穫にいき、貯蔵して糖度を高め、香りや食味を活かしたうえで、柔らかく保存性もあり、かつ外見もキレイに乾燥させる。相対矛盾するバランスを保つには、どうすればいいのか…実験を繰り返して研究を重ねています。

秀品率をあげる栽培技術

毎年たくさんの畑から得たノウハウは、農家さんにフィードバックして秀品率を改善します。農家さん側の手取りが多くなることは、私たちが良質な原料を確保することに繋がるからです。

このため秀品率をあげる栽培マニュアルをつくって農家さんに渡しています。イモの秀品率には、苗の育て方、畑の畝の大きさ、定植方法、植栽間隔など、いろいろなことが関わっています。

そして産地によって環境は違うので、ある地域のノウハウが別の地域で役立つとは限りません。今後も謙虚に農家さんの話を聞きながら、秀品率をあげる栽培方法の研究を続けていきます。