干しいもは栄養のある安くておいしい食品として、明治大正に農家のおやつから漁師・紡績女工・軍隊の携行食へと流通が広がりました。現代では添加物のない安全な健康食品として再評価されています。
私たちの原点は常に干しいものような、栄養のある安くておいしい食品をつくることです。砂糖不使用のドライフルーツ、イモケンピやナッツバー、いずれも開発コンセプトの軸はそこにあります。
そして日常的に愛される食品であるために、低価格にこだわります。しかし原料の品質を下げるコスト削減はしません。原料調達や製造工程のムダをなくすために、常に見直しと創意工夫を重ねています。
干しいもの原料はサツマイモだけ、砂糖不使用ドライフルーツの原料は果物だけです。だから原料のよしあしが、そのまま商品の品質となります。原料は産地を選んで、農家さんから直接買っています。
干しいもの原料は、虫食いや傷のない100g以上のサツマイモだけ。マンゴーは栽培方法がわかる特定の品種だけ。パイナップルはウルグル山隗で自然栽培されたものだけを、自社で買い付けします。
厳しい規準に合格した原料は貯蔵庫で追熟させて、一定の糖度になってから工場に搬入します。加工時には原料のデータを多角的にとることで、商品の品質改善とコスト削減を両立させています。
私たちは多様な作物の農家さんと直接取引しています。品質を選んで調達するので、よい原料には通常よりも高い単価を払えるように、取引条件を工夫しています。取引条件は毎年話しあって見直します。
毎年たくさんの畑を見て勉強したノウハウは、農家さんにフィードバックして秀品率をあげてもらいます。農家さん側の手取りが多くなることは、私たちが良質な原料を確保することに繋がるからです。
栽培技術を向上することで収入が増え、信頼関係ができれば、農家さんと長いお付きあいになります。タマユタカの品種登録の試験以来、毎年栽培をお願いしている農家さんもたくさんいます。
私たちはタンザニアが最高の農産加工品を生み出せる国だと強く信じています。そのためには畑から港まで、しっかりと目配りして商品の品質を管理します。それが新しい輸出産業を育てる礎なのです。
だから畑で原料を収穫して、工場で加工し、港で商品を発送するまで、すべて自社で行います。なぜならこれらバリューチェーンのどこかの不具合が、商品の品質を劣化させる可能性があるからです。
例えば当地では、ふつうサツマイモを麻袋で運びます。輸送中2-3割は廃棄され、残ったイモも追熟に耐えません。これをコンテナで運ぶことで輸送のロスはなくなり、追熟させた甘いイモに加工できます。
工場スタッフは女性が中心、近くに住んでいているから働きはじめた人がほとんど。子育て中のお母さんも、学校に行けなかった人もいます。何年も働いている人もいれば、短期間だけ働く人もいます。
時給による給与計算、毎朝30分の環境整備、モノを探す時間ゼロ運動、掲示物のスワヒリ語化、15分昼寝の推奨、忘年会などのイベント開催、無料のランチ給食、スマホと通信料の支給…
これらの制度は、いろいろな背景の人が家庭と仕事を両立して活躍できるように工夫して導入したものです。よいアイディアは、法令を遵守して実現できるなら、前代未聞でも積極的に導入しています。